仕組み経営実践会とは?
仕組み経営実践会は、世界的ベストセラー「はじめの一歩を踏み出そう」の内容をベースに、人生と会社の未来図を描き、会社を人依存から仕組み依存へと変えていくための会員制度です。
ある貧乏学生は、学費を稼ぐための仕事を探していました。ある日、マクドナルドの列に並んでいた彼は、ゴミ撤去会社の看板を掲げた古ぼけたトラックを見つけました。
1週間後、彼は全財産に近い7万円で中古トラックを買い、ごみ収集の仕事を始めました。
開業一年目で授業料を稼げるようになり、2年後には売上は1億円にもなっていました。
しかしその後、11人いた社員が彼に反旗を覆し、9人が辞めてしまうという事態に陥ります。
そんなとき、同じ起業家仲間が、一冊の本を紹介してくれました。
それが「はじめの一歩を踏み出そう」です。
彼は本を購入すると、ビーチに行き、読み始めます。
通常、彼のような行動派の起業家は、本を最初から終わりまで読むことは滅多に無いのですが、この本だけは2回も続けて読みました。
翌日、彼は会社のミーティングで、本を机の上に置きます。
”これは今まで読んだビジネス書の中で、間違いなくベストだ。”
彼は「はじめの一歩を踏み出そう」に書いてあることを実践し始めます。
その後、彼は、ビーチで本を読んでいたときほど、自分の人生を変えた時間は無かった、と語っています。
「はじめの一歩を踏み出そう」に書かれている仕組み化の考え方は、彼のビジネスにとてつも無いインパクトを与えました。
彼は人が辞めてしまった経験から、人に依存した経営を止めました。そして、会社のすべての仕事を複製可能な仕組みにし、彼じゃなくてもごみ収集のビジネスを運営できるようにしていきました。
その結果、彼のビジネスのトラック数と拠点数は飛躍的に増え続け、北米最大のゴミ収集会社になりました。
彼、ブランアン・スカッドモアは7万円で始めた事業を年商400億円超の会社、O2E Brandsへと成長させたのです。
※ストーリーはブランアン氏のインタビューをもとに作成。
マイケルE.ガーバー著の「はじめの一歩を踏み出そう(原題:E-Myth Revisited)」は、「起業家の視点(職人、マネージャー、起業家という3つの人格)」、「経営の仕組み化」、「事業の試作モデル」、「ビジネス開発プロセス」などの新しい概念を提唱し、現在につながる、中小・成長企業経営の新しいスタンダードを創りました。 同書は、16カ国語に翻訳され、700万部以上のベストセラーとなっています。また、Inc 500社(急成長企業500社を選出したランキング)のCEOが推薦する書籍として、「7つの習慣」や「ビジョナリーカンパニー」などの名著を抑え、ナンバーワンを獲得しています。 出版後、30年以上経った現在においても、「最も影響力のあるビジネス書25選(米タイム誌)」、「もっとも役に立ったビジネス書ベスト5(米ウォールストリートジャーナル)」に選ばれるなど、経営者のバイブルとしてロングセラーとなっています。
「起業して9年。もっと早くこの本と出会いたかった。。。」
「職人型経営では、未来がない。経営者の人生と事業を切り離し考える。とにかく素晴らしい」
「自分にとって久々のヒット本である!」
「経営者として知っておかなければいけない基本的な考え方が凝縮されてます」
「思い当たることばかりです」
「まさに経営の教科書」
「星10個!具体的にこれをやろうと思える本です」
会社がまだ小さいうちは創業メンバーの職人技で会社が成長していきます。創業メンバーの営業力、人脈、技術力など属人的な能力で成長していくことができるのです。
しかし、成長につれ組織人数が増えてくると、今度は属人的な能力がかえって仇となり、社員が育たなかったり、離反が生じたり、いつまでも創業メンバーに仕事が依存したり、などさまざまな問題が出来てます。
「はじめの一歩を踏み出そう」に書かれている、会社を成長させていくためのカギは、一言でいうなら「成功の複製」です。
つまり、うまく行った仕事のやり方を他の人でも出来るようにすることです。それによって、最初は1馬力だった会社が、2馬力、3馬力、10馬力へと力を生み出し、成長していくのです。
大半の会社では、会社経営が特定個人(社長やベテラン社員)に依存しており、個の力を超えて成長することが出来ません。それこそ、会社の成長が行き詰まる原因なのです。
先ほど例に出したブライアン・スカッドモア氏は、自分自身でトラックを運転し、ごみを収集して回るのではなく、ほかの人でも同じように仕事が出来る仕組みを作ったのです。
その仕組みを作り上げることで、ビジネスは”徐々に”ではなく、”急速に”拡大していったのです。
会社から離れて、1ヵ月後に戻ってきたら、それまでと同じように利益を上げていますか?
もしできなければ、あなたはビジネスを所有しているというよりも、あなた自身がビジネスになっています。多くの社長は、それは当たり前だろうと思っていますが、本来は異なるのです。
会社は、あなたの存在や個性、スキルや汗に依存するものではありません。
もし会社があなたに依存するのであれば、会社の成長はあなたの個人的な時間や能力、人脈といったものに制限を受けてしまいます。
本来、会社は、適切に設計されていれば、オフィスにいようといまいと、店舗にいようといまいと、現場にいようといまいと、休暇中であろうとなかろうと、効率的に機能するはずです。
そのためには、会社を人に依存させるのではなく、”仕組みに依存”させるように変えていくことです。
こんにちは、一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。
私たちは、「はじめの一歩を踏み出そう」著者のマイケルE.ガーバー氏との出会いからスタートした団体になります。
2013年に活動をスタートして以来、世界的ベストセラーであり、中小・成長企業の教科書ともいわれている「はじめの一歩を踏み出そう」の内容を実践していくための考え方や方法論をご提供してきました。
私自身は幸いにも、日本人の中で最も多く、マイケルE.ガーバー氏から直接学ぶ機会を得ることができました。
その幸運に恵まれたことをお返しする意味でも、マイケルE.ガーバー氏から学んだことをより多くの経営者の方にお伝えしていきたいと考え、仕組み経営実践会をスタートいたしました。。
社長の働き方の改革、業務の仕組み化、人材の育成を通じて、社長が経営の仕事に集中できる時間が創出出来ます。
人の問題を”人を変えることで解決しよう”とするのは非常に難しいものです。それより、仕組みを変えることで人を変えるアプローチを習慣化することで、人の問題が無くなっていきます。
会社は経営者の器以上にならないとされています。器とは、自分の志と照らして物事を判断する見識、それに実行力と決断力を加えたものを言います。人生観を明確にすることで、器を大きくし、会社を成長させることが出来ます。
リーダーの仕事は、明日は今日よりも良くなると信じさせることです。そのために、会社の夢や青写真を常に描き、顧客と社員を引き寄せ続けます。
国内外の、仕組みで持続成長している会社をピックアップし、解説します。そこから得られる洞察を自社に適用していきます。
仕事を社員に任せられないのは、”やり方”ではなく、”基準”を明確にしていないからです。まず仕事の基準を高めることで業績を向上させ、その基準を含めて社員に任せることで、仕事を正しく委任することが出来ます。
1か月目:3つの人格を完全に使いこなす
持続的に成長する会社を創る第一歩は、経営者が自分の働き方を変えることです。
そのためには、経営者は3つの人格を使い分けなくてはなりません。
多くの会社は、経営者が7割の時間を職人的人格で過ごしています。一方、数少ない成功する会社の経営者は、起業家、マネージャー、職人の人格を1/3ずつ活用しています。
放っておくと、職人の人格が増えてしまいます。そこでまず自身の働き方を知り、意図的にマネージャー、起業家の時間を増やしていきます。
2か月目:“顧客のための夢“を原動力にして成長する
経営者にとっての夢とは、顧客のための夢であり、自社が世の中にもたらす偉大な結果のことです。これをマイケルE.ガーバー氏は、インパーソナルドリームと名付けました。インパーソナルドリームの発見こそが、会社の成長にとって最大のカギとなります。
かつて、マイケルE.ガーバー氏の教えを受け、自社のインパーソナルドリームを発見したKEAP社の共同創業者、クレート・マスク氏は以下のように語っています。KEAP社は年商約300億円のソフトウェア企業です。
過去10年間、私たちは、
・ごく小さな規模からスタートし、3年でInc.500(急成長企業のリスト)に挙げられるようになった。
・4人でスタートし、600人以上のスタッフを抱えるようになった。
・何も無い状態から、この業界でリーダーとされる企業になった。
これらのことをあなたに伝えているのは、自慢しているわけではなく、ビジネスを成長させるにあたって、夢を大きく持つということがどれだけ欠かせないことかを共有したいからだ。
私たちの会社は、本当の意味でスタートしていなかった。全経営陣がインパーソナルドリームを発見するまでは。
それらが私たちのビジネスに劇的な変化を与えた。他の会社が不況の中であえいで、フォーカスを失っている中、私たちは、レーザーのように我々の夢にフォーカスをあて、小さなビジネスを革命的に成長させ続けることが出来た。クレート・マスク氏(KEAP社共同創業者)
3か月目:1万倍のビジョンを描く
ウォールマートが創業したのと同じタイミング(1962年)で、店を開いた人はたくさんいただろう。それから50年たったとき、一方は創業一族全員が世界有数の資産家となり、一方は一店舗を運営するのに精一杯で、年齢の衰えとともに閉店せざるを得なくなっている。彼らの違いは、ウォールマートの創業者が他の店の店長よりも10倍働いたからではない。視点が異なったのだ。だから、これは世界を一変させるチャンスだと思ってほしい。あなたならそれができる。
マイケルE.ガーバー
毎日、あまりにも地味な仕事の連続で、成長の道筋が見えないと感じていませんか?
立派な思想や理念を掲げても、どうやってそれを実現するのかがわからなければ、単なる理想論で終わります。
そこで必要なのが、“1万倍のビジョン”です。
マイケルE.ガーバー氏は、ビジネスは、正しく運営されていれば、今のサイズの1万倍に成長することが出来る、と言っています。
1万倍のビジョンを描くことで、あなたの手足が届く範囲で会社の業務が行われているようではとてもそこに到達できない、とわかります。では、そのためにどのような事業を創らなくてはならないのか?が理解できるようになります。
4か月目:企業研究①
卓越した仕組みによって運営されている企業をピックアップし、その仕組みを学び、自社に適用していきます。
5か月目:会社に魂を入れ、勝手に成長していくようにする
会社は、それ自身が目的とルールをもっている独立した生き物のようなものであって、決してあなたの一部ではありません。
自分の子供は、人格的にも物理的にも自分とは別物です。しかし、子供には自分のDNAが反映されています。つまり、切り離されていながらも、関連性があります。会社を自分の子供だと考えれば、社長であるあなたの仕事は、子供(会社)が自立して生きていけるように育てることと言えるでしょう。
そのためには、社長が会社の中にどっぷりつかっている状態から抜け出し、会社を”見守る対象”へと変えていくことが大切です。
それが出来れば、会社は社長という個人の限界を超えて成長していきます。
6か月目:ストーリーで顧客と社員を惹きつける
会社の夢やビジョン(理念)は、社員や顧客に伝わってこそ意味があります。どんなにいい想いで理想を掲げても、それが周りの人たちに伝わらなければ、存在していないのと同じです。
そのため、経営者は、“ストーリーテラー”としての機能を果たす必要があります。
誰もがわかるように、自社のビジョン、商品やサービスのこだわり、社員の未来、顧客の未来をストーリーとして語るわけです。
ストーリーを語り継ぐことで、会社の哲学や理念といった、いわば会社のDNAを残していくことが出来ます。
7か月目:ワールドクラスの基準で導く
多くの社長は、ご自身では高い基準を持っているでしょう。仕事に対する高い基準こそが顧客を引き寄せる要因になり、社員を成長させます。
しかし、社長の考える基準が社員に明確に伝わっていないから、任せた時に問題が起こります。
優れた会社には、優れた仕事の基準があります。たとえば、掃除ひとつとっても、基準が低い会社は拭き残しがあっても放ったらかしにするのに対し、基準の高い会社は、チリ一つない状態にまで磨き上げます。
これは、そういった会社に優れた人材がいるから出来るのではありません。会社として高い基準を定め、それにそって働く文化を作っているから出来ることなのです。
8か月目:企業研究②
卓越した仕組みによって運営されている企業をピックアップし、その仕組みを学び、自社に適用していきます。
9か月目:社員を生徒とした学校を創る
すべての会社は、社員を生徒とした学校である。
マイケルE.ガーバー
多くの会社では、人が大事と言いつつも、体系的に社員を育成出来ていないようです。
マイケルE.ガーバー氏は、全てのビジネスは社員を生徒とした学校にならないといけない、と言っています。
「社員が育たなくて困っている」という経営者は多いでしょう。
しかし、そこには大きな勘違いがあります。社員が育たないのは、彼らの能力のせいだけではありません。
会社に社員を育てる仕組みがないことに最大の原因があるのです。
会社が成長を続けるには、人が育つ仕組みを作り、普通の人でも成果が出るようにしていくことが永続する会社の条件になります。
10か月目:オーナーシップの文化を創る
「オーナーシップの文化」とは、全社員が採算意識と自分の仕事に対する責任感を持っている文化のことです。
「自分と同じくらい会社について考えてくれる人がいない」、と嘆く経営者は多いものです。それは社員に問題があるのではなく、リーダーシップの問題なのです。
オーナーシップの文化は、全員が、なぜその仕事が存在するのかを理解し、自分が会社のビジョンに向かう中で、どのような役割を担えばよいのかを理解していることで実現します。
11か月目:初心者の心で取り組む
初心者の心には多くの可能性があります。しかし専門家といわれる人の心には、それはほとんどありません。
禅マインドビギナーズ・マインド
初心者の心、言い換えると謙虚さです。謙虚さは成長を続ける会社の経営者にとって欠かせないものです。謙虚さの反対は驕りや傲慢であり、これらの兆候が見られると、見栄や自己都合のための無駄遣いが始まります。それが会社全体に伝搬し、会社の成長が止まり、組織文化は崩壊していきます。
経営者にとって、会社が停滞しているときは試練ですが、同時に、成長しているときも試練です。会社が成長しているときに、いかに初心者の心で取り組めるかが、永続的な繁栄を実現できるかどうかを決定づけます。
12か月目:企業研究③
卓越した仕組みによって運営されている企業をピックアップし、その仕組みを学び、自社に適用していきます。
実践会の内容をご活用いただくために、ご入会時に個別キックオフ会議をご提供いたします。現在の課題を共有いただき、それをどう仕組みで解決していくかをご相談いただけます。
【MP3(約69分)ダウンロード】
マイケルE.ガーバー氏の教えを日本人の経営者の方が学べるようにした音声データをご提供します。経営者が”何を考えなくてはならないのか?”をお伝えしていきます。
【MP3(約70分)ダウンロード】
マイケルE.ガーバー氏の教えを日本人の経営者の方が学べるようにした音声データをご提供します。経営者が”何を考えなくてはならないのか?”をお伝えしていきます。
会員サイト内のオリエンテーション動画をご覧ください。
中小・成長企業(社員数300人以下)は、日本における企業数の99%以上を占め、そこで働く人々は、全体の約70%と言われています(経済センサス)。
つまり、中小・成長企業の経営者と、そこで働く人々は世の中に大きな影響力を持っていると考えられます。さらに人は一日24時間のうち、少なくとも8時間くらいは仕事に費やしており、彼らがどのような心持ちでどのような仕事を行うか?が世の中を左右します。
経営者は製品を創ります。それによって、私たちの生活が創られます。
また、経営者は雇用を創ります。 雇用が生まれることによって、人々の収入が生まれます。収入と生活に必要な物があることによって、私たちの生活が豊かになります。
次に、経営者は人を創ります。人を創るとは、その人の内面に訴えかけ、生きる意味を見出せるようにすることです。言い方を変えれば、立志させることです。
最後に、経営者は“会社という作品”を創ります。その会社は、本人がいなくなっても、製品と雇用を生み出し続けます。
そういった意味で、中小・成長企業の経営者は、世の中に大きな貢献をしていると言えます。
一方、日本の中小・成長企業には停滞ムードが漂っています。その際たる指標が、生産性の低さとエンゲージメント(やる気、貢献心)の低さです。日本企業の人時生産性は、先進国の中でも20位程度にとどまっています。また、日本企業の従業員で士気・熱意がある者の割合は5%と世界最低(出典:第1回 未来人材会議 2021.12)を記録してしまっています。世界が持続成長するための最大の担い手が中小・成長企業にかかわる人々であるものの、その実は低い生産性、低いやる気という事態に陥っています。
このような事態になっている大きな原因は、中小・成長企業をリードする経営者に起業家精神が失われてしまっていることにあると考えています。
経営者自身が人生に対する夢や情熱にかけている、つまり本当の意味で生きていないため、それが会社に波及し、非生産的な文化を生み出しています。
本来、全ての人は豊かな創造力と可能性を秘めています。しかし、夢や情熱を失った経営者の元で働く社員はそれが引き出されることなく、人生を過ごしているのです。
先ほどのデータを見れば、95%の人は仕事に対してやる気がなく、お金がもらえるから、という理由だけで出社しています。これは社会全体の損失に他なりません。
私たちはその現状を変え、経営者や社員が高い志をもって働き、会社と人生を充実させていく支援をしていきたいと考えています。
2010年、私はマイケルE.ガーバー氏に出会いました。彼は、日本人である私たちに次のようなメッセージをくれました。
起業家精神の物語をお話ししましょう。
日本という国が、敗戦の灰の中から、何の希望もなく生まれ変わったときの話です。
この地球上のどの国も、そんなことはあり得ないと思っていたのです。
誰がそれをしたのか?
起業家達です。
彼らは何者なのでしょう?
あなた方は知っているはずです。
その後、何か別のことが起こり、成長から衰退へのストーリーが始まりました。
日本が起業家主導の国から、政治家や官僚に支配された政治の国になったのです。その過程で、偉大な起業家たちの創造力によって生み出された、並外れたエネルギーとパワーを完全に失ってしまったのです。
だから、あなた方一人ひとりの内に秘めた偉大な起業家を見つけてください。それこそが、今日本が苦しんでいる経済問題を解決する唯一の方法なのです。
私はこの場所で、あなた方と一緒にそれをやりたいと思っています。あなたは人々に奉仕するためにここにいるのか、それとも人々から搾取するためにここにいるのか?
もしあなたが搾取するためにここにいるのなら、私はあなたに興味がありません。もしあなたが奉仕するためにここにいるのなら、新しい起業家の時代に歓迎します。マイケルE.ガーバー講義より@カールスバッド
1945年の敗戦時、東京はすべてを焼き尽くされた焼け野原でし た。これまで築き上げてきた建物、町並み、物資は消え去りました。
誰がこれからの人生に希望を持てるでしょうか? 誰がこれからの日本の未来を描けるでしょうか?
しかし、ガーバー氏の言う通り、敗戦後の日本には、未来を描いた人たちがいたのです。 吉田茂は、焦土と化した東京を見て、こう言ったそうです。
「すべて無くなった。しかし、まだ日本人が残っている」
平和を愛し、互恵の心を持ち、不屈の精神を持ち、勤勉に働く日本人が残っている限り、この国はもう一度、立ち上がることができる。
当時、日本には確かに日本人がいました。たとえば、シャープ創業者の早川徳次氏は1912年、奉公後に独立し、後にシャープペンシルと呼ばれる繰出鉛筆を開発。大ヒットさせました。
しかし、関東大震災によって工場は全焼、多額の借金を背負い、 シャープペンシルの特許も売り払わざるを得なくなったのです。
その後、社員数名を伴って再度、事業を成長軌道に乗せますが、 そこで更なる不運、第二次世界大戦が始まりました。
早川氏はここでまたしても事業に大打撃を受けますが、不屈の精神で復活し、国産第一号のテレビ、国内初の量産型電子レンジなどを世に送り出しました。
いま、たくさんの日本の大企業が苦境に陥っていますが、彼らは創業当初から、何度も苦難を乗り越えてきたのです。
戦後、工場や社屋を失った事業主たちは、自らを奮い立たせ、 社員を奮い立たせました。その光景に米国を始めとする世界は驚きました。何しろ、戦争で完膚なきまでに叩きのめしたと思った相手が、 焦土から蘇ったのです。
このように、かつて、私たちの先人達は、起業家精神を持って、経済のみならず、世界に誇れる文化、精神を伴いな がら、戦後の日本を作り上げてきました。
経済、文化、精神、その奇跡的なバランスが実現しているのは、 志を持って、未来の日本を夢に描いた人達がいたおかげです。 しかし、残念ながら、いまの日本を創り上げた先人たちが居なくなっていくのと同時に、その志は日本から消え失せつつあり ます。
人生をかけて将来のため、すなわち我々のために尽くした人たちがいたことを、私を含めて多く人が忘れつつあります。
私たちは今一度、日本人が本来持っている起業家精神を思い出し、後の世代に引き継いでいくべきでは ないでしょうか。
私がガーバー氏から学んだことを一言でいえば、
人生の目的(志)を発見し、それを実現するための仕組みを創る
ということです。
志とは、自分がどのようにして世の中に貢献するか?ということです。経営者は、自分の志を会社経営という手段を通じて実現します。そして、会社が個人の時間や場所の制限を超えて繁栄する仕組みを創ることが出来た時、志も時代を超えて続いていきます。
この考え方を日本の経営者の方々にお伝えしてきてから、私自身、「仕組み経営との出会いによって人生が変わりました」という声を何度もいただきました。
そして、「経営者の生き方を明確にし、それを実現させるための仕組みを創る」という考え方を伝えていくことこそが、いつしか私自身の志となりました。
そこで仕組み経営実践会を改めて開始しようと思いました。単に自身の生計を成り立たせるだけではなく、人生の目的、志、夢を明確にし、それを会社経営を通じて実現していきたいという方のご参集をお待ちしております。
和魂洋才で日本企業をワールドクラスカンパニーに
1人の会社か3,000人の会社かというのは問題ではない。
世界に通用する方法で取り組む決意をすることが大切なのだ。マイケルE.ガーバー(「はじめの一歩を踏み出そう」著者)
これまでの活動の一部
一般財団法人日本アントレプレナー学会は、人々の起業家精神を呼び起こし、日本の企業をワールドクラスカンパニー®にするご支援をしています。
〒150-0012
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