仕組み経営サミットは、人に依存する運営から、仕組みによる運営への変革を目指すための実践的な方法を提供します。
社長の考えが伝わらない理由
多くの社長は、自分の考えが社員にうまく伝わらないことで悩んでいます。
その原因の一つは、社長の頭の中にある考えや経験が十分に共有されていないことです。
社長の考えとは、会社の理念や目指すビジョン、価値観、ブランドのイメージ、事業の方向性、組織の形や役割分担、社員に対する期待や将来の展望、競合との差別化の方法などです。
もちろん、社長はこれらを社員に伝えようとしています。しかし、
などの理由から、うまく伝わらないことが多いのです。
そこで重要なのは、社長の考えや経験を見える形(文章など)にして、社員と共有することです。
一般的には、これを「経営計画」(経営指針や経営方針)としてまとめます。
経営計画は、社長の考えを社員と共有できる形にしたものです。
良くある間違い①
数字の積み上げに終始している
経営計画はまず数字を積み上げることから始めると思われています。
たとえば、昨年対比10%増を目指すためにはどういう計画が必要か?という質問から始めます。
ところが数字は、経営計画を作るときの起点にはなりません。
管理者的な経営者は数字に強いため、数字計画をしっかり作ります。
しかし、目指す理想の姿が無いために、無味乾燥な計画になってしまいます。
場合によっては、社員にプレッシャーを与えるだけの計画になります。経営計画が逆効果になるのはこのためです。
良くある間違い②
目的の間違い
経営計画(書)も会社の仕組みのひとつです。
そして、全ての仕組みには”その仕組みを作った人の意図”があります。
”意図”が間違っていると、仕組みは逆効果になります。
仕組みを作る人の意図が何であるか?が極めて大切なのです。
2023年5月、中古車販売等を手掛ける某ビッグモーター社の問題が明るみになりました。
よほど杜撰な経営が行われているのと思いきや、実は同社にはしっかりした経営計画書がありました。
しかし、彼らの経営計画(書)は意図が間違っていました。
経営計画(書)が「会社の理念実現のための道筋」ではなく、経営者が支配力を維持するためのものになっていたのです。
経営計画は、「社長の暗黙知を形式知化したもの」なのですが、その暗黙知とは、どうやってこの組織を自分の思い通りに動かすか?
ということではないのです。
あくまで「会社の理念実現のための道筋」である必要があります。
良くある間違い③
フォローとバックアップの欠如
多くの会社では、時間をかけて毎年一回、経営計画(書)を作成します。
問題は、それが”静的な文書”になることです。
つまり、一回作ったら、それで完成。変化はしない文書になってしまうということです。
とくに冊子などの紙で経営計画(書)を配布した場合、1年間変化しないものになりがちです。
しかしご存知の通り、ビジネス環境は非常に変化しやすく、動的な対応が求められます。
そこで必要なのが、フォローアップやバックアッププランの仕組みです。
フォローアップとは、作成した戦略、方針、計画が今でも有効なものかどうかをチェックする仕組みです。
バックアッププランは、計画が思い通りにいかなかったときの対応策です。
計画はあくまで仮説です。仮説が間違っていた時の準備が必要なのです。
フォローアップやバックアッププランの仕組みを組み込むと、経営計画が”生きた文書”になり、全社員の行動の指針となります。
その状態になれば、社長個人に依存することなく運営できる会社になります。
世界7万社を支援してきたマイケルE.ガーバー氏によれば、従来型の経営計画が実現しないのは、頭で分析的に考えて作成されるからです。
一方、仕組みで勝手に成長するための経営計画は、経営リーダーの想いを起点とします。
計画が達成されたときのあなた、あなたの組織、そしてあなたの顧客が感じるであろう感情からスタートします。その感情こそ計画を作成する真の目的なのです。
従来型の経営計画と仕組みで成長するための経営計画の違いは以下の通りです。
7万円から始めたゴミ収集の事業を年商850億円を超えるまでに成長させたブライアンという起業家がいます。
彼は創業間もない頃、十数人いた社員を全員解雇せざるを得ない状況に追い込まれました。
そして、ゼロからスタートしなおそうと決めた時、自社のビジネスの最終的な絵を描くことから始めたのです。
そこから事業は発展を遂げ、業界最大手にまで成長しました。
社員数人から業界大手へ
KEAPは、中小企業向けのCRMシステムを提供する企業であり、マイケル・E・ガーバー氏の教えを受けたことで、5年で年商を12倍に成長しました。共同創業者のマスク氏は、自分たちが何のための事業を行っているのかという想いを考えなおしたことで、ビジョンと計画を明確にしました。KEAPは世界中のスモールビジネスに導入され、ゴールドマンサックスから54億円の投資を受けるなど、その成長が評価されています。
第一部:ワークショップ
仕組みで勝手に成長するための経営計画の創り方
旧来の経営計画では、理念や戦略と実務が分断され、社員は数字を追うだけになりがちです。その結果、会社のビジョンが無視され、経営計画は実現不可能なものとなります。一方、仕組みで成長する経営計画では、理念や戦略を具体的な仕組みに反映させることで、日々の業務が自然と目標達成につながります。
事業の成功を手に入れるためには、まず自分の人生における「5つの計画」を立てることが重要です。ビジネスだけでなく、経営者として、また一人の人間として何を成し遂げたいのかを見つめ直すことが、持続的な成長の第一歩となります。
通常の経営計画は社長の希望に基づいて立てられますが、その場合、社員の心に火を付けることはできません。社長は「義務」として計画を立てる必要があります。その義務感が、目標と計画に対する社員の責任感を生み出します。義務的な計画が何かを理解し、それを経営計画に反映させることが重要です。
経営計画には戦略を組み込む必要がありますが、戦略の意味を理解せずに思いつきの方針を計画書に盛り込む企業が多いです。戦略とは、目標達成までのストーリーを指します。このストーリーの立て方を学び、目標までの道筋を“目に見える”形にすることが重要です。
仕組み化戦略とは、会社のビジョンや目標を達成するために必要な仕組みを明確にすることです。この戦略を策定すれば、その後は必要な仕組みを一つずつ作っていくことで、経営計画の実現が可能になります。
第二部:セミナー
想いを仕組みに変える方法
どれだけ強い理念や目標を掲げても、それを実行に移し、継続して成果を出すための仕組みが整っていないと、成長の限界に直面してしまいます。
私自身もかつては、会社の売上は順調に伸びていたものの、毎日が忙しく、自分の時間をほとんど持てない状態でした。しかし、「経営の設計図」となる仕組みを作ることで、時間的な余裕を持ちながらも、事業を持続的に発展させることができました。
今回は、私が実際に取り組んできた「想いを実現するしくみ化」のプロセスをシェアし、皆様のビジネスにも応用できるようにサポートします。また、数多くの企業で導入され成功を収めた事例もご紹介します。
第三部: 特別講演
【計画に魂を入れる】勝ちグセ集団の創り方
キリンビール入社後、岡山工場労務課に配属。その後、本社人事、労務部門を経て、1995年、高知支店長に就任。
当時、同社内でも最下位ランクの業績だった高知支店において、企業理念の浸透、それに基づいた行動スタイルの改革を行い、支店長就任6年後、県内トップシェアを奪回、V字回復させた。その後、四国、東海地区の営業本部長としてそれぞれの地域のシェアを反転させ、本社代表取締役副社長、営業本部長に就任。高知、四国、東海で学んだ「勝ち方」を全国で展開し、2009年、ついに全国でのキリンビールシェア首位奪回を果たした。
現在は、100年プランニング代表として、企業等での講演活動を積極的に行っている。講演では、キリンビールV字回復の経験から、主体的に動ける組織をつくるために求められる、勝つための考え方、心の置き場、営業マンに求められる実行する力等について伝える。
支店長として赴任した当時の高知支店は、社内でも最下位ランクの業績。負けている組織の精神風土が染みついていました。支店長として、1度失ったブランド力を取り戻すべく、「何のために働くのか」「自分の会社の存在意義は何なのか」という理念を考え抜き、それに基づいた行動スタイルをとることを徹底する組織改革を実行。
自分がやると決めたことをつきつめる「結果のコミュニケーション」を重視した取り組み等は、営業を中心とした行動を主体的に変化させ、支店長赴任2年後には売上が反転。V字回復させました。リーダーと同じ価値観を持ち、一体感を伴った最強の組織はどのように作られたのか。筆者の高知支店への赴任から、副社長となり全国のシェア奪回に至るまでの軌跡が語られます。
※希望者で懇親会:18時~
ビジョンセンター浜松町
〒108-0075 東京都港区浜松町2-8-14 浜松町TSビル 4F Jルーム
【アクセス】
※懇親会5,000円
お時間の許す方は、ぜひ懇親会もセットでお申込みください。仕組み経営のイベントは会社規模の大小関わらず、志高く、共通言語で話せる方々が集まります。そのためご参加者同士で商取引が生じることはもちろん、趣味などの個人的なつながりも多く生まれています。また、今回ゲスト講師としてお招きしている田村潤さんも懇親会にご参加いただけますので、ぜひこの機会に交流されることをお勧めいたします。
中小・成長企業経営者向けの書籍として世界的ベストセラーになっている「はじめの一歩を踏み出そう」の考え方を基に、会社経営を「人依存」から「仕組み依存」に変革させるための考え方とメソッドをご提供しています。以下のような課題をお持ちの経営リーダーに役立つ内容をお伝えしています。
一般財団法人日本アントレプレナー学会 代表理事
大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後、2社起業するも失敗。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2010年にマイケルE.ガーバーと出会って以降、日本企業をワールドクラスカンパニー®にするための活動をしている。
マイケルE.ガーバー氏とは?
世界No.1の中小・成長企業アドバイザー(米INC誌による)世界700万部以上のベストセラー「はじめの一歩を踏み出そう(原題:E-Myth Revisited)」著者。経営の仕組み化等、新しい概念を提唱し、現在につながる、中小企業経営の新しいスタンダードを創った。また、Inc 500社のCEOが推薦する書籍として、No.1を獲得。 「最も影響力のあるビジネス書25選(米タイム誌)」、「もっとも役に立ったビジネス書ベスト5(米ウォールストリートジャーナル)」に選ばれるなど、中小企業経営のバイブルとしてロングセラーとなっている。
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